アップル(Apple/AAPL)の10大株主ランキング【2024年】

信頼の理由

アップルの株主にとって、最近の株価動向は気がかりかもしれません。2024年4月2日時点で、アップル(AAPL)の株価は年初来8%以上下落しました。しかし、この数字が示す以上に、アップルの実力は健在のようです。

実際、アップル(Apple/AAPL)の時価総額は現在2兆6,200億ドル(約390兆円)に達しており、マイクロソフト(MSFT)に次ぐ世界第2位を維持しています。カリフォルニア州クパチーノに本社を置く同社の強さは、依然健在といえるでしょう。

赤と緑の棒グラフに青いチャートが重なっている。

業績を見ても、その底力がうかがえます。2023年度第4四半期(9月30日終了)の決算では、主力製品の売上が軒並み減少する中、サービス部門が過去最高の223億ドル(約3兆3,000億円)の売上高を記録しました。

続く2024年度第1四半期(2023年12月30日終了)でも、四半期収益が前年同期比2%増の1196億ドル(約17兆9000億円)、1株当たり利益が同16%増の2.18ドル(約325円)と好調さを維持しています。

株価の一時的な揺らぎはあるものの、アップル(Apple)の真価は変わっていません。今後の展開に、多くの投資家が注目しています。

アップル(Apple)の筆頭株主の一人でもあるティム・クックCEOは、2024年2月1日に同社の最新四半期決算について次のようにコメントしました。

本日、アップル(Apple)は2023年12月期の決算を発表しました。iPhoneの好調な販売に牽引され増収となり、またサービス部門の売上高は過去最高を記録しました。さらに、アクティブデバイスの設置台数が22億台を突破し、全ての製品カテゴリーと地域で過去最高を達成したことを喜ばしく思います。

なお、サービス事業部門では、クラウドサービスをはじめ、書籍、音楽、ビデオなどのデジタルコンテンツを提供しています。

この記事では、アップル(Apple)の主要な株主とその保有AAPL株数について詳しく分析します。それでは、アップル社の株式所有の実態に迫ってまいりましょう。

重要なポイント

  • 機関投資家がアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式総数の約60%を保有している。
  • アーサー・レビンソン取締役会長やティム・クックCEOなど、いわゆるインサイダー(役員や従業員)が保有する株式は全体の1%未満にとどまっている。
  • アップル(Apple)の株式を最も多く保有している上位3社は、バンガード、ブラックロック、バークシャー・ハサウェイである。
  • ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイがアップル株(AAPL)の購入を開始したのは比較的最近で、2016年後半からである。
  • 家電・テクノロジー業界の中で、アップル(Apple)の機関投資家による株式保有比率は高く、音響機器メーカーのソノスに次いで2番目となっている。

2024年、アップル(Apple)の株主は?

アップル(Apple)は世界有数の時価総額を誇る企業の一つとなり、個人投資家から機関投資家まで幅広い投資家の注目を集めています。2023年の年次報告書によると…

  • 2023年10月20日時点で、アップル(Apple)の登録株主数は2万3763名となっています。
  • 同日現在、同社の発行済み普通株式数は155億5275万2000株でした。

アップル(Apple)の株価の推移は、同社の成功の歴史を如実に物語っています。

アップルの過去の株価チャート

2024年4月2日時点で、ヤフーファイナンスの株式分割調整後のデータによると、アップル(Apple/AAPL)の株価は上場以来実に1115倍、すなわち111,509.25%も上昇しています。

ただし、投資家の皆様にはご注意いただきたい点があります。過去の実績が必ずしも将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断の際には、この点を十分にご考慮ください。

アップル(Apple)の機関投資家トップ5

アップルの主要機関投資家トップ5

1. バンガード・グループ(13億1796万6471株/8.47%)

世界第2位の資産運用会社であるバンガード・グループは、機関投資家の中でアップル(Apple)の筆頭株主となっています。

バンガード・グループが2024年2月13日に米国証券取引委員会(SEC)に提出した最新の報告書によれば、2023年12月31日時点で同社はアップルの株式を13億1796万6471株保有しているとのことです。これはアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式の8.47%に相当する規模です。

アップル株はバンガードの投資ポートフォリオにおいて最も重要な位置を占めており、2023年第4四半期時点で同社の全運用資産の5.5%を占めるに至っています。

バンガードの所有構造は独特で、一般的な株主ではなく、同社が運用するファンドの投資家によって所有されるという特徴があります。同社のウェブサイトによると、2024年2月現在、バンガードは世界中で423のファンドを展開しています。

2023年4月時点で、バンガードの運用資産総額(AUM)は8.3兆ドルに達したと報告されています。

2. ブラックロック (10憶4371万3019株/6.7%)

世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、アップル(Apple)の第2位の大株主です。

2024年2月12日、ブラックロック・インクは米国証券取引委員会(SEC)にSC 13G/Aフォームを提出し、アップルの株式を10億4371万3019株保有していることを公表しました。これはアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式の6.7%に相当します。

ニューヨークに本社を置くブラックロックは、過去10年間でハイテク企業への投資を大幅に拡大してきました。2013年第4四半期時点では、アップル株はブラックロックの保有株トップ10にも入っておらず、わずか230万株(129万ドル相当)の保有にとどまっていました。当時、ブラックロックの最大の投資先はバンク・オブ・アメリカ(BAC)でした。

しかし、2023年第4四半期には状況が一変し、アップル株はブラックロックの投資ポートフォリオ中、第2位の比重を占めるまでに成長し、全体の5.1%を占めるに至りました。

3. バークシャー・ハサウェイ(9億5560万株/5.8%)

アップル(Apple)は、戦略的な投資判断で知られるウォーレン・バフェットのお気に入りの投資先となっています。

バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、2016年第1四半期に981万株のアップル株を初めて取得して以来、その保有株数を着実に増やしてきました。

2023年第4四半期時点で、バークシャー・ハサウェイのアップル株保有数は9億5560万株に達し、同社の投資ポートフォリオにおいて最大の位置を占めるまでになりました。この保有株数は、アップル(Apple/AAPL)の発行済み株式の5.8%に相当し、バークシャー・ハサウェイをアップル(Apple)の第3位の大株主に押し上げています。

さらに驚くべきことに、このハイテク巨人への投資は現在、金額ベースでバークシャー・ハサウェイの投資ポートフォリオ全体の約半分を占めるまでに至っています。

4. ステート・ストリート・コーポレーション(5億8605万2057株/3.76%)

マサチューセッツ州を拠点とするステート・ストリート・コーポレーションは、2023年第4四半期時点でアップルの第4位の大株主の座を占めています。同社が保有するアップル株は5億8605万株に達しました。

この株式保有数を2023年12月31日の終値で評価すると、1128億3262万ドル(約16兆円)の価値となり、アップル(Apple/AAPL)の発行済み株式の3.76%を占める規模です。

なお、ステート・ストリート・コーポレーションは、世界第4位の資産運用会社であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの親会社でもあります。

5. ジオード・キャピタル・マネジメント(3億82万2623株/1.93%)

ジオード・キャピタル・マネジメントは、アップル(Apple)の第5位の大株主となっています。2023年12月31日時点で、同社は3億82万株のアップル株を保有しており、これはアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式の1.93%に相当します。

この大規模な投資により、アップル株はジオードの投資ポートフォリオにおいて、マイクロソフト(MSFT)に次ぐ第2位の位置を占めるに至りました。

アップル(Apple)の個人投資家トップ5

アップル(Apple)には多くの役員が大株主として名を連ねていますが、意外にも彼らが保有するアップル株(Apple/AAPL)は、発行済み株式総数の1%にも満たないのが現状です。2023年1月時点のデータによると、13人のアップル幹部と取締役が保有する株式を合計しても、同社の株式のわずか0.6%にとどまっています。

アップルの主要個人投資家トップ5

それでは、現在のアップル(Apple)の主要なステークホルダーについて詳しく見ていきましょう。

1. アーサー・D・レビンソン(443万4576株/0.029%)

一般的な予想に反して、アップル(Apple)のティム・クックCEOは同社の個人筆頭株主ではありません。

実際のところ、アップル(Apple)の個人筆頭株主の座に就いているのはアーサー・レビンソンです。2024年2月時点で、レビンソン氏は443万株のアップル株を保有しています。ただし、この数字はアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式総数のわずか0.029%に相当するに過ぎません。

レビンソン氏は現在、アップル(Apple)の取締役会議長を務めています。同時に、アルファベット社の子会社であるキャリコ社の共同設立者兼CEOとしても活躍しています。彼の経歴は非常に華麗で、過去にはグーグルの取締役を務めたほか、バイオテクノロジー企業の大手ジェネンテックでCEOを歴任しました。

2. ティム・クック(328万53株/0.021%)

アップル(Apple)のティム・クックCEOは、2023年10月時点で同社の第2位の個人株主となっています。彼の保有株数は328万株で、これはアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式総数の0.021%に相当します。

クック氏がCEOに就任したのは2011年8月で、この時期はアップル(Apple)の共同創業者であるスティーブ・ジョブズ氏が他界する直前でした。実は、クック氏はジョブズ氏自身が指名した後継者で、ジョブズ氏の健康状態が悪化していた2011年1月からは、すでにCEO代理としての役割を果たしていました。

CEO就任以前のクック氏は、アップル(Apple)の最高執行責任者(COO)として、同社の世界的な販売戦略と事業運営を統括していました。

3. ジェフリー・ウィリアムズ(48万9817株/0.003%)

ジェフ・ウィリアムズは、1998年にアップル(Apple)に入社し、現在は同社の最高執行責任者(COO)を務めています。彼の役割は多岐にわたり、グローバルな事業運営、顧客サービス、そしてサポート体制の統括を担当しています。

2023年10月6日時点の情報によると、ウィリアムズ氏はアップル株(Apple/AAPL)を48万9817株保有しているとのことです。

4. アルバート・A・ゴア・ジュニア(46万8995株/0.003%)

アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領は、アップル(Apple)の著名な株主の一人として知られています。2024年2月5日時点で、ゴア氏は46万8995株のアップル株を保有しているとのことです。

ゴア氏とアップルの関係は長く、2003年3月19日に同社の取締役に就任しました。現在も取締役を務める傍ら、アップル(Apple)社内の重要な委員会にも参画しています。具体的には、人事・報酬委員会のメンバーとして、また指名・コーポレート・ガバナンス委員会の委員としても活躍しています。

5. キャサリン・L・アダムス(29万3266株/0.001%)

アップル(Apple)の法務顧問兼法務・グローバルセキュリティ担当上級副社長を務めるキャサリン・アダムスは、2023年11月時点で29万3266株のアップル株(AAPL)を保有しています。この株式保有数により、アダムス氏はアップル最大の個人投資家トップ5に名を連ねることとなりました。

通称ケイトと呼ばれるアダムス氏は、2017年にアップル(Apple)に入社しました。現在は同社のエグゼクティブ・チームの一員として重要な役割を担っています。彼女の職務は多岐にわたり、コーポレート・ガバナンス、知的財産、訴訟、証券コンプライアンス、グローバル・セキュリティ、プライバシーなど、アップルのあらゆる法務関連事項を統括しています。

アップル(Apple)の株主構成

アップル(Apple)の株主構成は、創業以来の37年間で大きく様変わりしました。

アップル(Apple)創業期を支えた出資者は誰だったのか?

アップル(Apple)創業期の成功に大きく貢献したマイク・マークラの存在は、スティーブ・ジョブズやスティーブ・ウォズニアックといった著名人の影に隠れがちです。しかし、このアメリカ人実業家の関与なくしては、アップル(Apple)の象徴的なコンピューターが世に出ることはなかったかもしれません。

1977年、元インテル社員で大富豪となっていたマークラ氏は、アップルに25万ドルを投資し、30%の株式を取得しました。彼の役割は単なる資金提供にとどまらず、創業期のアップル(Apple)の経営に深く関わりました。具体的には、事業計画の策定やアップルの初代CEOの採用などを手がけています。

マークラ氏のアップル(Apple)での在任期間は1997年まで続きました。その間、1985年にスティーブ・ジョブズが退社し、1997年に復帰するという劇的な出来事を目の当たりにすることになります。

機関投資家が果たす重要な役割

アップル(Apple)の最初の機関投資家については明確な記録が残っていませんが、1994年以降の委任状届出書を詳しく調べることで、いくつかの興味深い事実が浮かび上がってきます。

1994年11月30日時点で、唯一の機関投資家株主として名を連ねていたのはキャピタル・グループでした。この会社は、世界で最も歴史が古く、最大規模を誇る投資運用機関の一つとして知られています。当時、キャピタル・グループはアップル(Apple)の株式を1184万株保有しており、これはアップル(Apple/AAPL)の発行済み株式総数の9.8%に相当する大口保有でした。

2010年になると、ブラックロックとフィデリティ・インベストメントがアップルの主要株主として台頭してきます。ブラックロックは5.50%(5065万株)、フィデリティは5.04%(4641万株)をそれぞれ保有するに至りました。

さらに2015年後半には、バンガード・グループがアップル(Apple)の筆頭株主の座を射止めます。同社の保有株式数は3億3224万株で、発行済み株式総数の約6%を占めるまでに至りました。

バークシャー・ハサウェイが2020年にアップルの大株主の一角を占めるようになったことは、非常に重要な意味を持っています。ウォーレン・バフェットの鋭い投資眼と、彼が従来テクノロジー株を避けてきたことを考慮すると、この動きはアップルに対する強力な信任表明と言えるでしょう。

この変化は、ティム・クックがアップル(Apple)のCEOとして強力なリーダーシップを発揮し始めた時期と重なっています。その結果、アップル(Apple)の時価総額は驚異的な成長遂げることになります。2011年8月には3580億ドルだったものが、2018年には1兆ドルに達し、さらに2022年には前例のない3兆ドルにまで急上昇しました。

バフェット氏が2016年に始めたアップル(Apple)への投資は、同社の高い収益性を裏付けるものでした。また、強力なブランド、低い負債比率、堅実な経営という、バフェット氏の投資基準にも合致するものでした。

2023年5月のバークシャー・ハサウェイの年次株主総会で、バフェット氏は「アップル(Apple)は我々の会社よりも優れたビジネスだ」と絶賛しました。これは、アップル(Apple)の投資価値に対する彼の強い確信を反映しています。

さらにバフェット氏は、「バークシャー・ハサウェイはアップル(Apple)の5.6%、あるいはそれ以上を保有していますが、我々はこの投資に非常に、非常に、非常に満足しています」と述べ、その自信をより一層強調しました。

アップル(Apple)のオーナーシップ構造

個人投資家が企業の株式購入を検討する際、多くの場合、年金基金や保険会社などの機関投資家の保有比率を重要な判断材料としています。これは、機関投資家がより慎重で洗練された投資判断を行う傾向があるためです。

アップル(Apple)の場合、2024年4月現在の状況を見ると、株式の約60%を機関投資家が保有しており、一方で内部関係者(役員や従業員など)の保有比率は1%未満にとどまっています。

この株主構成は、他の企業と比較すると興味深い特徴が浮かび上がります。

  1. 音響機器メーカーのソノスでは、機関投資家の保有率が87.22%と非常に高く、業界トップとなっています。
  2. テレビメーカーのヴィジオでは、機関投資家の保有率は40.01%で、過半数は個人投資家が占めています。
  3. 日本の電機大手ソニーの場合、上場企業と個人投資家を合わせた保有率が92.49%と圧倒的多数を占め、機関投資家の保有率はわずか7.51%にすぎません。

結論

企業の株主構成を理解し、主要な株主を把握することは、個人投資家がその企業の成長可能性を評価する上で非常に重要です。

この知識は、単に会社の将来性を判断するだけでなく、経営陣が会社を適切な方向に導く能力があるかどうかを見極める際にも大いに役立ちます。

アップル(Apple)のような大企業の場合、評価の高い機関投資家が相当な割合の株式を保有していることは、同社が持続的な成長軌道を維持する上で重要な要素となっています。

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アップル(Apple)の所有者は誰なのか?

アップル(Apple/AAPL)の大口保有者は誰か?

アップル(Apple)社は誰のものか?

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Fitri Wulandari
Financial Journalist
Fitri Wulandari
Financial Journalist

Fitri has over 20 years of experience in financial journalism. She has contributed to various intern…...